シャセリオーという名を、皆さんは聞いたことがあるでしょうか?
37歳という若さで急逝した天才であるフランスの画家シャセリオーの作品は、ルーブル美術館にも所蔵されているほどの完成度を持っていました。
若すぎた死ゆえに表舞台から離れ、その名を世界に轟かせることがありませんでしたが、彼の作品はギュスターヴ・モローやピュヴィス・ド・シャヴァンヌに決定的な影響を与えたと言われています。
そのシャセリオーの作品が、国立西洋美術館にて日本で初めて紹介されます!
ルーブル所蔵の彼の中期の代表作「アポロンとダフネ」も来日するまたとないチャンスです!
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東京上野の国立西洋美術館
「絵画界のナポレオン」になるはずだったシャセリオー
幼くして画才を発揮したシャセリオーは、新古典主義の巨匠アングルの愛弟子となり「この子はやがて絵画界のナポレオンになる」と言わしめた逸材でした。
若干16歳でサロンにデビューし、アングルがローマのフランス・アカデミー院長を務めるためにパリを離れるまで、アングルのもとで絵を学んでいました。
アングルがパリを去ってのち、シャセリオーはドラクロワの影響に傾き始めました。「アングルの新古典主義とドラクロワのロマン主義の調和」を試み始めたのです。
アングルはドラクロワの着色法を忌み嫌っており、結果としてシャセリオーとの不和につながり師弟関係は解消されてしまいました。
このころの作品で、シャセリオーの代表作の一つに挙げられるのが、「海から上がるヴィーナス」です。
「海から上がるヴィーナス」(1839年)
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母国フランスでも難しいとされる大回顧展を、日本で味わう貴重なチャンス!
シャセリオーの絵画作品数は260点前後とされていますが、所在不明作品も多く、本国フランスでもその作品をまとまった形で見る機会は稀です。
今回の展覧会は、16歳で描いた自画像から、中期の代表作《アポロンとダフネ》、最晩年の《東方三博士の礼拝》まで、絵画約40点、水彩・素描約30点、版画約19点を集め、シャセリオーの芸術を日本ではじめて本格的に紹介されるまたとない機会になっています!
「アポロンとダフネ」
シャセリオーの作品は冒頭に挙げたモローやシャヴァンヌの作風に強い影響を与えたとされ、さらに、シャヴァンヌらの作品を通じて、ポール・ゴーギャン、アンリ・マティスの作品にも反映されていると言われています。
この夭折した早熟の天才の作品をまとめて鑑賞できるまたとないチャンスが今回の国立西洋美術館企画の展示となっています!
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シャセリオー展の魅力と見どころ、ご想像いただけましたでしょうか?
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