【コラム】「ムーンライト信州81号」と青春18きっぷで長野を満喫する

「ムーンライト信州81号」はこんな列車

先日のコラム「日帰り、夜行列車…。温泉あり、グルメありの青春18きっぷを使った旅のあれこれ」で、青春18きっぷを使った「ムーンライト信州81号」の活用例を簡単に触れましたが、今回はこの「ムーンライト信州81号」に注目して、情報を掘り下げていこうと思います。

ムーンライト信州81号 Photo: YouTube

「ムーンライト信州81号（時に91号が使われる場合もあります）」は、新宿（東京都）と白馬（長野県）を結ぶ夜行快速列車で、登山やスキーシーズンに1日1本が運行されます。終点が白馬であることや、運行時期が登山やスキーシーズンであることで想像できますように、この列車を使う人の目的は主に登山やスキーです。夜行列車で白馬まで行き、登山などをたっぷり楽しんでその晩に帰る、といったパターンがほとんどであるため、ムーンライト信州には新宿行の「上り」列車がありません。登山やスキーで疲れた人は特急を使って帰ることが多いのが理由と言われています。

Photo: http://www.descente.co.jp/

ムーンライト信州81号を使えば、終点白馬の前に松本（4:35着）まで行け、松本で乗り換えれば長野に7時半ごろには着くようになります。白馬へ行っての登山ばかりでなく、乗馬や観光、グルメなど、さまざまな目的で長野を目指す方も多いかと思います。

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ムーンライト信州81号の乗車客傾向と、さらにお得に使う方法

さて、このムーンライト信州81号の賢い使い方を見ていきましょう。

上で書いたように、ムーンライト信州81号で白馬まで行く利用者の目的は登山やスキーがほとんどです。そのため、終点白馬駅（5:40着）では、北アルプスの各方面への早朝バスが接続していて、無駄に時間をつぶす必要なく登山口まで行くことが可能になっています。利用者の目的を考えた、便利なサービスですね。

「ムーンライトながら」など、ほかの「ムーンライト」が主要都市への移動が主な目的である一方で、ムーンライト信州81号は趣が異なっていますので、そのため乗客には暖かい季節にはヒッチハイカー、冬にはスキーヤーなどが多く利用している傾向があります。

Photo: https://manuke.jp/

「ムーンライト信州81号」は快速なので、特急券などは不要です。ですので、青春18きっぷが利用できます。ただし、全車指定席ですので、青春18きっぷのほかに、座席指定券（520円）が必要です。指定券を購入することで、座席の「予約」ができます。また、青春18きっぷの利用に年齢制限はありませんので、スキーが趣味の若者から、登山が趣味の年輩の方まで、広い年代で親しまれています。

青春18きっぷは、午前0時に有効日が切り替わります。そのため、列車に乗っている最中に日付が変わる場合、0時を過ぎて最初に停車する駅が、青春18きっぷの日付の境目になります。

「ムーンライト信州81号」に乗る場合、日付が変わってから最初に停車するのは立川となり、そこが日付が変わる駅になります。つまり、青春18きっぷを新宿から利用する場合、立川までに1日分、立川からもう1日分、合わせて2日分を用意する必要があるということになってしまいます。

そこで青春18きっぷを使い慣れている人は、新宿～立川の運賃は470円（青春18きっぷの1日分は2,370円）ですから、その間の普通切符を買い、そこから先で青春18きっぷを使うという手段を選びます。この方がずっとお得に乗れるわけですね。

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さらにお得に乗車したい人のために

もっと節約したい人のために、「日付が変わる駅」までのお金を、さらに少しでも節約する方法があります。

新宿を23時40分に発つ中央線快速高尾行に乗ると、三鷹で0時01分発となり日付を越え、立川に0時21分に到着しますので、立川0時29分発の「ムーンライト信州81号」に乗り継げるというわけです。この場合、日付の変わる新宿～三鷹間の運賃220円を別に用意すればいいということになり、新宿～立川間の470円よりも安くすみます。賢いですね～。

注意したいのは、土休日にはダイヤが変わるということです。新宿発が23時39分になり、日付の変わる駅が武蔵小金井になります。この場合は、「新宿～武蔵境310円」＋「青春18きっぷ1日分」となります。ただ、乗り継ぎの時間が短くなりますので、万が一中央快速に遅延が発生した場合には、立川での乗り継ぎが危うくなるという危険性があります。週末に行かれる場合は、少し早めに三鷹駅まで移動しておき、0時を過ぎてから入場し、そこからムーンライト信州81号に乗る、というのが安全策となるでしょう。

ムーンライト信州81号での快適な過ごし方

ムーンライト信州81号での過ごし方は、別のコラムで「ムーンライトながら」の乗り方について書いたのと似たようになります。

列車の中は運行中灯りがついていますので、眠りたいときにはアイマスクを利用すると良いでしょう。座席はリクライニングしますが、快眠を望む方は首に巻けるエアークッションを用意されることをお勧めします。また、ムーンライト信州81号の乗客の目的の違いによって、スキーを楽しみたい若者が多く乗車する傾向があります。よって、ちょっと盛り上がった話し声などで眠りを妨げられることも考えられますので、耳栓があると便利かもしれません。そして、これは「ムーンライトながら」と同様、夜食・朝食を用意しておく必要がありますね。