特別展「雪村―奇想の誕生―」15年ぶりに東京へ。100点以上の作品から雪村芸術の不思議に迫る。


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雪村(せっそん)という名を聞いたことはありませんか? 200年も前に活動した画僧の斬新な作品は、近代にいたるまで大きな影響力でさまざまなアーティストを魅了してきました。

その「奇想」の祖とされる雪村の作品群が、15年ぶりに東京に、スケールをさらにアップして戻ってきます! 前回雪村が紹介された展示は2002年に東京・渋谷区立松濤美術館で開かれ、大好評を博しました。今回は海外に所蔵されている作品や、見つけにくい個人蔵の作品などを集めた、総計100点ほどにも及ぶ大回顧展が東京藝術大学大学美術館で開かれることになりました!

日本画を語るうえで避けられない雪村の実物の作品を前に、あなたはどんな発見をするでしょう?

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斬新で革新的、そして温かい。雪村の人間としての魅力が、作品の魅力でもあります

雪村《呂洞賓図》 重要文化財 奈良・大和文華館蔵
雪村筆《呂洞賓図》 重要文化財 奈良・大和文華館蔵

いきなりですが、雪村の代表作ともいえる「呂洞賓図」をご紹介しながら、雪村とはどんな画僧だったのかを簡単にご説明しましょう。

雪村周継(せっそんしゅうけい)は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した、水墨画の名手として知られていますが、その人生については謎が多く、出生も没年も定かではありません。確かなのは、武士家の長男として生まれながら、武士の身分を捨てて出家して画業に専念していたということです。故郷の茨城や福島、神奈川など東国各地を巡り歩いて実に多くの作品を残しました。そして、それらの作品の「斬新」とも「奇抜」とも「革新的」とも表現される画風は、同時に人間味にもあふれる温かさをまとっており、後世の多くの画家や知識人に影響を与えるとともに、愛されてきました。

例えば上でご覧いただいた「呂洞賓図」。雪村画風を象徴するような奇抜な構図や描き方、そして、上下の龍のほかに実はあと二匹の龍が隠れているという「遊び心」は、雪村の人間を表すかのようです。伊藤若冲、會我蕭白、歌川国芳といった「奇想の画家」がブームを巻き起こしている現在こそ、観るべきはその「祖」と言える雪村でしょう!

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200年影響を与え、愛されてきた雪村の魅力を解き明かす!

雪村 《蝦蟇鉄拐図》
雪村筆《蝦蟇鉄拐図》個人蔵

「奇抜」なだけでは200年という時を超えて愛され続けることは不可能です。いったい雪村の作品のどこに、それほどの魅力があるのでしょう。今回の展示では、その魅力について、大きく迫ります。琳派の代表絵師である尾形光琳は、雪村を思慕し、模写や雪村を意識した作品を数多く残しています。また、近世には狩野派、近代では狩野芳崖、橋本雅邦らが雪村に魅了され、それぞれの新たな境地を切り拓くために、雪村を研究したと言われています。本展では、雪村に影響を受けた後世の絵師の作品の数々もご覧いただきながら、雪村の魅力の解読を試みます。

また、「電力王」「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門(1875-1971)や、「マネジメントの父」ピーター・F・ドラッカー(1909-2005)なども雪村に魅せられ作品を所蔵するなど、現代に至るまで多くの知識人たちをも惹きつけた雪村芸術の秘密とは?

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実際に「観る」ことで得られる「感動」こそ、芸術鑑賞の本当の意味

雪村《龍虎図屏風》東京・根津美術館蔵
雪村筆《龍虎図屏風》東京・根津美術館蔵

アーティストやその作品を本当に知るには、やはり実物を「観る」という行為が欠かせません。雪村芸術を理解することは難しくても、自分なりに「感じる」ことはできるはず。それが優れた芸術を目の前にした時の「感動」というものです。大きな屏風も小さな掛軸も、1つ1つの作品の細部に雪村の独特な世界観がふんだんに盛り込まれています。今回の展示では、その細部を拡大した図の展示なども交え、雪村の世界に迫ります。

「波」「風」「人々」…。雪村芸術を表現するキーワードは多くあります。それらを実際に観ることで、「あなただけの」雪村の魅力を感じてください。

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会期: 2017年3月28日(火)- 5月21日(日)
午前10時 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
※会期中、作品の展示替えがございます。
休館日: 月曜日(ただし、5月1日は開館)
会場: 東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4
主催: 東京藝術大学、読売新聞社
協賛: 日本写真印刷
協力: 日本航空
後援: TBSラジオ

200年語り継がれる「雪村芸術」の目撃者になれ!

どうですか? これほどの魅力をたたえた雪村の作品、実際に観ないともったいないと思いませんか?
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(2017年3月現在)
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また、買取のほうも強化していきます。

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